建て主のミカタ

工事契約までの手順と注意点 簡単に工事契約してはいけません

いつまでたってもお金と契約のトラブル、手抜き工事が減らないのはなぜでしょうか。
それは、早すぎる段階で結ばされてしまう工事契約のためです。
一度工事契約を結んでしまうと、もう相見積もりもできなくなって住宅業者の言い値になり、解約には違約金も発生します。
しかしその前にやっておかなくてはならないことがたくさんあります。
簡単に工事契約してしまわず、契約前から注意してトラブルを防ぐことが重要です。

1.住宅ローンの仮申請をする
2.予算は伝えないようにする
3.第三者による現場検査を申し込む
4.出来高払いにしてもらう
5.設計契約書・工事契約書を修正する
6.工事契約の前に設計契約を結び、工事の内容をはっきりさせる
7.同じ条件で相見積もりをし、比較検討する
8.工事契約に必須な7つの書類を確認する
  ~~~ ここで工事契約 ~~~
9.住宅ローンの本申請をする

1.住宅ローンの仮申請をする
まず重要なことですが、住宅ローンの仮申請に工事契約書は不要です。
住宅業者は逆のことを言って契約を取ろうとしますが騙されてはいけません。
住宅業者としては、そうすることで建て主の予算が把握できるので仲介したがるのは当然です。
しかし建て主自ら金融機関に出向き、詳細はこれからであることを説明し、仮申請しましょう。
金融機関から工事契約書の提出を求められる場合もありますが、工事契約書がなくても物件情報や建築プランがあれば問題ありません。
お問い合わせいただければ、無料で仮申請のお手伝いをいたします。

2.予算は伝えないようにする
最初の段階で予算を訊かれることはよくあります。
このとき、曖昧にしておいて、言ってしまわないようにしましょう。
もし予算がわかってしまうと、住宅業者は最初から予算に合わせた見積もり金額を出してきます。
これは、家づくりの選択肢を住宅業者に決められてしまっているのと同じです。

たとえば、建て主としては内装の質は低くてもいいから他の部分に費用をかけたいと考えているかもしれません。
でも住宅業者は予算内で見積もりを出すために、建て主が望まない部分の質を落とした提案をしてきかねません。
家づくりの選択肢を広げるためにも、予算は伝えない方が得策です。

3.第三者による現場検査を申し込む
現場検査とは工事がきちんとされているかチェックすることです。
早い段階でミスや手抜き工事を発見できるのでとても重要なものです。

この検査を、施工をしている会社と同じ組織内でやるという場合があります。
でも、これは避けたいところです。
身内の検査というのはどうしても公正にはならないからです。

理想的なのは、建て主が独自に依頼した、住宅業者とは利害関係のない第三者に検査をしてもらうことです。
なかにはこれを嫌がる住宅業者もいますが、それは工事の内容に自信がないと言っているようなものです。

4.出来高払いにしてもらう
工事費は、工事がスタートした時点で全体の4割、家の骨組みができあがるまでに全体の7割を請求されます。
この支払い方法は住宅業界の慣習になってしまっていますが、建て主にとっていいものではありません。
なぜなら、家の完成度合いからすると支払いすぎだからです。
もし、工事の途中で住宅業者が倒産してしまったらどうなるのでしょうか。

請負契約は「後払い」が基本です。
工事の進み具合に応じてできた部分から支払う「出来高払い」にしてもらいましょう。

5.設計契約書・工事契約書を修正する
契約書には設計契約書と工事契約書があります。
どちらも契約の直前ではなく、最初の段階で見せてもらうようにしましょう。
内容を把握し、建て主にとって一方的に不利な部分を修正する時間を取るためです。

ただ、そのためには建築と法律の専門知識が必要になってくるかもしれません。
契約書に必ず盛り込んでおかなければならない項目は、こちらの書籍で紹介していますが、事情に詳しい専門家に相談しましょう。
わたしたちも喜んでお手伝いさせていただきます。

6.工事契約の前に設計契約を結び、工事の内容をはっきりさせる
工事契約の前に設計契約をし、仕様や費用などの条件を確定させましょう。
まず実施設計図(工事用の設計図)をつくり、それをもとに仕様を決め、工事費をはっきりさせるためです。

もし、この順番がばらばらだったらどうなるでしょうか。
基本設計図(間取り図)だけの見積もりで契約したものの、あとから仕様が変わってきて、結局は予算オーバーしかねません。
実は、このような手順で契約させられてしまうことはよくあります。
ぜひ気をつけていただきたい契約方法のひとつです。

7.同じ条件で相見積もりをし、比較検討する
実施設計図と仕様書で工事の内容をはっきりとさせたら、それとまったく同じ条件で相見積もりを取ります。
そうでない相見積もりの場合、金額の比較だけになってしまって、質の比較まではできないからです。
最安値の見積もりだとしても粗悪な材料を使っているかもしれません。

相見積もりが出たら、工事項目と数量をひとつひとつ確認し、見積書に反映されているか、漏れや重複などの間違いがないかチェックします。
不明なところがあったら説明や修正をしてもらいましょう。

8.工事契約に必須な7つの書類を確認する
工事契約に必須な書類は、契約書の他に約款、実施設計図、仕様書、見積書、請負代金内訳明細書、瑕疵補修方法一覧表、工程表です。
この7つがそろっていない状態で工事契約を結んではいけません。
もし、なにかひとつでも欠けていたら、今後のトラブルを覚悟しなければならなくなります。
また、書類の中身がそれぞれきちんと対応しているのかという確認も必須です。

   ~~~ ここまでの手順がすべて終わってはじめて工事契約を結びます ~~~

9.住宅ローンの本申請をする
工事契約後に住宅ローンの本申請をします。
仮申請がとおっていても油断はできません。
以下のような場合は予定どおりの融資を受けられないことがあるからです。
・仮申請後に他から借り入れができた
・仮申請後に勤務先が変わった
・仮申請後に収入が減った
・仮申請後に健康状態に問題があることがわかった
ですから、予定どおりの融資を受けられない場合には解約できるという契約内容にしておかなければなりません。


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