建て主のミカタ

土地購入の注意点

土地は衝動買いというわけにはいきません。
よく見て、よく調べて、それから決めないと、あとで思っていた家が建てられないということになってしまいます。
家づくりは立地条件や法規制などに左右されるからです。
広告や業者に振り回されず、正確な情報から客観的に判断する必要があります。

広告は当てにならない
おとり物件
個人情報を簡単に教えない
購入を催促する業者は要注意
住宅業者の誘導
地元密着型の不動産会社とは
建築条件付きの土地の問題

広告は当てにならない
不動産会社がつくったチラシやネット広告には間取りや価格がのっています。
ですが、他の物件と同じものの使い回しだったりして、当てになりません。
実際には、広告どおりの広さが確保できない、広告どおりの価格で建てられない、そんなことがほとんどです。
それは、法規制のために広さが制限されたり、建て売り住宅仕様の価格表示になっていて、希望どおりに変更するにはオプションで別料金を払わなければいけなかったりするからです。
また広告の価格は本体価格のみなので、それ以外に別途工事費や諸経費などがかかってきます。
広告はあくまで客寄せにすぎませんから、額面どおりには受け取れません。

おとり物件
その名のとおり、おとりです。
売る気のない物件・売れない物件・実際にはない物件を広告して集客するのが目的です。
こんな広告につられて問い合わせると、「その物件は売れてしまったので他の物件を紹介します」なんて言われて他の物件に誘導されてしまいます。
ネットでもおとり物件があるので注意してください。
不動産には「格安物件」や「掘り出しもの」はありません。あやしい広告には問い合わせないようにしましょう。

個人情報を簡単に教えない
不動産会社は個人情報をほしがります。
問い合わせの電話をすると、大抵担当者は不在か電話中です。
折り返すと言うので連絡先を教えると、毎日のように営業の電話がかかってきたり、ひどいときは一日に何度も訪問されます。
これはかなり迷惑で困ります。
問い合わせるときには名字とメールアドレスだけ伝えて、あとはメールでやりとりするといいでしょう。

購入を催促する業者は要注意
同じ物件に他にもお客さんがいるようなことを言って購入を催促する業者がたくさんいます。
でも、物件をちゃんと調査しないで購入するのは絶対に禁物です。環境・敷地・法令など細かい点がよくわかっていない土地をついうっかり買ってしまったではすみません。
それから、よくわからないという理由で業者任せにしてしまうことがありますが、これも禁物です。あとで後悔するようなことになったり、契約後に予想外の費用がかかってしまったりします。
土地というのは広告には書かれていない条件や詳細がたくさんあるので、しっかり調査してから契約書に判を押すようにしましょう。

住宅業者の誘導
住宅業者に土地探しを手伝ってもらうと、まず予算を把握されてしまいます。
予算を把握されると、建て主の自由に注文をつけにくくなります。
それから、その住宅業者の都合が優先されてしまいます。
たとえば、つながりのある不動産会社の物件を優先する、住宅業者の利益になる土地を選びたがる、などです。
これでは買い主の立場に立った公平な判断はできません。
また、「この土地の購入にはプランが必要」「住宅ローンの仮申請には工事契約が必要」などと誘導されてしまいます。
この場合、工事契約後はすべて住宅業者の言い値になってしまい、相見積もりも安くするための交渉もできません。

地元密着型の不動産会社とは
地元密着を売りにしている不動産会社ってありますよね。
でも、実はほとんど関係ないんです。

土地の持ち主が物件を売るとき、「専属専任媒介」「専任媒介」「一般媒介*」のどれかの契約を不動産会社と結びます。
ほとんどの場合は「専属専任媒介」か「専任媒介」になります。
というのは、「専属専任媒介」「専任媒介」の物件は必ずレインズ(REINS)に登録され、ここに登録された物件情報はネットワークをとおして不動産業界全体に公開されるからです。
つまり、たくさんのお客さんに見てもらえるわけです。

ほとんどの物件がレインズで共有されているので、不動産会社の情報量はどこも大差ありません。
ネットでも同じ物件を複数の会社が出していたりしますが、見かけた方もいるかもしれませんね。
これはレインズにある物件情報をそれぞれの不動産会社が広告料を払って広告しているということです。
独自に物件情報を持っているわけではないんです。
だから、「地元に強く未公開物件を持っている」なんていう不動産会社は要注意です。
以前、そういう不動産会社6社に未公開物件が入り次第連絡くださいと頼みましたが、なんの音沙汰もありません。
しかもそういうところに限ってしつこい営業をしてきます。
*「一般媒介」のみレインズの登録は任意です。

建築条件付きの土地の問題
建築条件付きの土地と聞くとどんなイメージでしょうか。
土地は土地で手に入れて、建物は建物で独自に建てられる。そうではありません。
土地の契約とは別に工事の契約をしないといけないのですが、「土地の売り主が指定する施工者を使って」というのが条件です。この時点で家づくりの自由がひとつ失われることになります。
土地の契約をしてから一定期間内(3ヶ月以内など)に工事契約が成立しない場合は土地の契約は解除されてしまいます。
建築条件付きの土地には問題がたくさんあるので、見ていきましょう。

割高になってしまう
土地そのものの価格は相場より1割くらい安く設定されていることがあります。
これは土地を売れやすくするためですが、実はその分を建物の方に上乗せされてしまいます。
結局は割高になってしまうことになります。

建物の価格をつり上げられてしまう
早いうちに工事契約を結ばないと土地の契約が解除されてしまうので、仕様などの細部が煮詰まっていない状態で契約するしかありません。
契約をしたあとに詳細な打ち合わせをすることになりますが、ここではじめて建物の細部を決めていくことになります。
そうすると、もともとが大雑把な図面と仕様書だっただけに、細部が決まるほど予算はどんどん上がっていってしまいます。
これは消費者に不利益を強要する販売方法だと言われています。

相見積もりができない
決められた施工者のなかから1社を選ぶしかないので、相見積もりができません。
最初から施工者が決められていて選択肢がない場合もあります。
これでは交渉の余地もなく、言い値で工事金額が決まってしまいます。

丸投げになる
土地の売り主に建設業の認可がなかったり、自社で施工しない場合、他の業者に工事を丸投げすることになります。
これは「一括下請けの禁止」という建設業法に違反しますが、住宅業者は「発注者(あなた)が一括発注を承諾する」という一文を勝手に契約書に入れて通してしまいます。
このことを建て主は全然知らなかったりします。
丸投げになると、元請けが手数料を取って下請けに工事をさせます。
手数料を取られた下請けは材料の質を落としたり手間を省くので、住宅トラブルの温床になります。
また、元請け・下請け・孫請けという風になってくると、どこが設計してどこが施工してどこが監理しているのか、責任の所在がわからなくなってきます。
責任があいまいではきちんとした工事にはなりません。

プランが決まっていて変更できないことが多い
プラン・仕様・価格が最初から決まっていて、建て主の希望にあわせて変更できないことがよくあります。
これは結果的には建て売り住宅と同じことになりますが、このような販売方法は脱法行為になります。

建築条件付きの土地は問題だらけです。
こういった販売方法はすぐには変えていけないので、消費者の側が賢くなって回避するしかありません。


賢い土地取得の手順と方法